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法律問題の解説

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法律問題の解説

欠陥住宅問題とは

欠陥住宅という言葉は、最近ではよく耳にすると思いますが、比較的メジャーになったのは、阪神・淡路大震災以降ではないかと思います。地震の被害に遭われた住宅をみると、筋かいがないとか、基礎が基準に適合していない等の例が結構多かったそうです。裁判例になっているものもあります。最近、中国の四川省で大地震がありましたが、学校の建物が倒壊し、保護者が行政を相手に抗議をしている状況が報道されておりました。このように、地震をきっかけとして、住宅に所定の性能が保たれていないという欠陥の問題が、クローズアップされています。

施主(建築主)が家を建てるとき、施工業者に頼んで建築施工するという点のみ意識されがちです。しかし、現在の日本の建築生産システムでは、本来的には、建築士に依頼して設計・監理契約を結び、施工を監理し、これに行政の検査・確認が入ることになっています。また、耐震偽装問題を契機として、住宅の瑕疵担保責任が履行されない状況が問題化して強制保険制度が創設され、今後は、保険会社は、自社の保険事故を回避するためのチェックが加わります。したがって、民間のチェック、行政のチェック、更に保険会社のチェックという、異なる立場からの厳重なチェックがあるので、欠陥住宅問題というものは本来起こらないはずです。しかしながら、現状では、チェックが十分に機能していないということがあります。

また、建築における設計・監理・施工の各々は、三権分立になぞらえられて互いに分離独立しているべきであり、せめて「設監分離」といって、設計・監理と施工とは離れていたほうが、チェック・バランスが取れていることになります。しかしながら、現状では、施工業者が設計も監理も引き受けていることが多いのです。

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